批評の芸術係数

批評というより感想録です。

"さよならの朝に約束の花をかざろう" (2018) -映画短評-

 

2018年、岡田麿里監督作品。

2018年4月2日、立川、シネマワン h studioにて鑑賞。

初見。

 

「あの花」「ここさけ」の脚本家、岡田麿里の初監督作。

 正直なところ「あの花」をはじめ、岡田脚本のストーリーの作品はあまり好きではなく敬遠していたのだけれど、友人の強い勧めで見てみたら、いや、舐めてました。そもそも岡田脚本作品が嫌いって言っても、まともに見たのは「あの花」はじめ数作品で、敬遠するのが尚早だったのかもしれない。

 で、その数少ない鑑賞済み岡田作品のどこがダメだったかというと、クライマックスの過剰演出とそこに至るまでのあまりにわざとらしい、あるいは唐突なストーリー。だったのだけれど今回はかなり改善されていると思う。ストーリーや心情の表現は丁寧だし、演出も今までものと比較して、かなり抑制されている。

 一方、映像に対して言葉のウエイトが大きいというか、説明的であったりあからさまに伏線になるとわかるようなセリフが多い点は気になる。これは岡田監督が脚本家であるが故か。特に冒頭からタイトルが出るまでは、映像的な牽引力の欠如と、わざとらしいセリフのせいで、かなり退屈に感じた。

 他にも例えば、里を襲った兵隊長のやばいレベルの言行不一致とか、テーマ自体に既視感がすごいあるとか、結構大きなことが起きてる割には物語世界が狭いとか、気になる点もいくつかあったけれど全体としては面白かったといっていいと思う。

 何はともあれ今後の岡田作品が非常に楽しみになる映画でした。

 

 でもタイトルは何とかならないかな。